はじめに
ここ最近になって、ますますメタバースやNFT(エヌエフティー)という言葉を耳にするようになってきました。
これに伴って、暗号資産の再加熱も徐々に身近になってきている印象です。
少し前に、暗号資産の先祖とも言えるビットコインが誕生したことは記憶にまだ新しいでしょう。
これによって、暗号資産ブームになっていた時期がありました。
しかし、他の暗号資産でセキュリティーに関する問題もあったことで、本格的に参入されるのを見送られた方も多かったのではないでしょうか。
近頃、ニュースや週刊誌にも時々登場するNFTが脚光を浴びています。
このNFTが注目されている理由としては、デジタル資産の所有権を明確にできるところにあります。
日本の法律にも著作権法があります。
個人、団体が制作したものには全て著作権があります。
ただ、ご存知の通り、違法アップロードに始まる著作権の侵害は後を絶ちません。
作品を作ったときに、自分自身がその作品の唯一の所有者であるということを証明することは困難です。
自分が所有しているものがオリジナルであったとしても、コピーとの違いが明確にならなかったのです。
NFTの登場によってそれが明らかになります。
コピーとオリジナルの違いが分かるというのは合法な作品と違法な作品の違いが分かるということです。
海賊版や違法アップロード、ダウンロードに始まる著作権をめぐる問題解決のヒントにもなるかもしれません。
また、自分の作品をデジタル資産として販売したり、他の人のデジタル資産を購入したりすることもできます。
「自分で作品を作るのは難しそう。」と感じられるかもしれませんが、この記事を読み終えていただければ、あなたもきっとNFTアーティストになれることでしょう。
1.NFTとは?
NFT(エヌエフティー)アートをOpenSea(オープンシー)というところに出品する方法につて解説しています。
しかし、そもそもNFTというものが分からないという方向けに、NFTについて少し書いておきたいと思います。
◆NFTの基礎知識
NFTとは、Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の略称です。
日本語では、「非代替性トークン」と訳されることが多いです。
「非代替性」というのは、代替・交換が効かないということです。
また、暗号資産の知識がある方であれば、お分かりかもしれませんが、基本的にはビットコインやイーサリアム以外の暗号資産を全てまとめてトークンと表現します。
日常的に使っている現金硬貨や紙幣の代わりに使う電子マネーなどのことを指していると思っていただければ大丈夫です。
トークンは日本語では、「印」「象徴」と訳されます。
NFT、非代替性トークンというのは、唯一無二の交換できない暗号資産ということになりますが、具体的にどのようなものなのでしょうか。
例えば、ある作品(音楽や動画だとしましょう。)を制作し、ネット上に公開したとします。
ところが、公開してから数日後に、同じ作品が他のホームページ上で公開されていることに気が付きました。
いわゆる、盗作したものをホームページにアップロードしてしまう違法アップロードです。
この時、第三者から見れば、どちらも同じ作品に映ります。
オリジナルがどちらかは分かりません。
「オリジナルは私のものです。」と主張したとしても、それを証明する方法が難しかったのです。
そこで活躍するのがNFTになります。
NFTは自分が制作した作品に「自分が制作したものです」という証明書になると考えてください。
このように、自分の作品の所有権をNFTで証明できるようにしたものを、NFTアートと呼んでいて、最近注目されてきているのです。
内容は分かっていただけても、実際に制作するのは難しいと思われる方もいるかもしれません。
しかし、この仕組みは簡単です。
後程詳しい手順は紹介するのですが、NFTを発行したら、作品のデータの所在地(アドレス)を書き込むだけで完了です。
暗号資産に詳しくない人でも簡単に制作できます。
◆NFTアートと従来アートの違い
NFTアートと従来アートの違いについてもう少し深く解説します。
NFTは非代替性があるものと書きましたが、非代替性があるものにはどのようなものがあるでしょうか。
量産することが難しいものという考え方をしていただければお分かりいただけると思います。
例えば、有名な画家が描いた原画、人気アーティストやプロスポーツ選手のサインなどが非代替性と言えるでしょう。
一方で、代替が効く物の例としては、工場で量産されているような商品、お金、フリー素材の画像などがこれにあたります。
従来であれば、非代替性である作品であるにも関わらずに、代替できるような感覚で出回っていたものも多いです。
しかし、NFTの普及によって、量産できるものであっても、そこに所有権を付与することで、非代替性となりうるのです。
NFT化された作品を持つとことは、その所有権が自分にあるということを謳っているのと同じことです。
電子データ化された作品であれば何でも、NFTアートとすることができます。
従来アートはネット上で簡単に複製もできてしまうこともあり、その作品がどれだけ凄いものであっても、あまり大きな価値を持つことはできなかったのです。
次の項目では、実際にどのようなNFTアートが存在しているのかを見ていきます。
◆NFTアートの具体例
国内外を問わずにすでに多くのNFTアート作品が出品されて、その売買がされています。
日本ではまだまだ浸透していないように見えていても、すでに参加している人がいることも事実です。
国内の事例を見てみましょう。
「鉄腕アトム」の原作者であることで有名な手塚治虫氏。
鉄腕アトムの原画をもとにして作られたモザイク画が日本円にしておよそ5300万円という高値をつけてオークションで落札されています。
実際にどのようなモザイク画であったのかを見て頂ければ、NFTアートに関心がなかったとしても、「すごい!」という感想を持つことができる仕上がりになっています。
5300万円という価格にも驚きです。
また、「戦場のメリークリスマス」で有名である坂本龍一氏は、このメロディーを595音に分割してNFTアートとして出品していました。
坂本龍一氏の手がけた音楽の所有者になれるというのはファンにとってはたまらないでしょう。
595音はすでに完売しており、1曲あたりの落札金額は日本円で約1万円となっています。
今でも転売等が繰り返されており、当初の金額のおよそ10倍もの金額で流通しているということです。
このようにして、作品を購入した所有者が、転売をするときに金額を高くして再度販売することもでき、将来的には、当初は予想もしていなかった高値で取引をされるという事例も多くあります。
国内での他の例としては、小学生の夏休みの自由研究が約400万円程度の値が付いたということも有名な話です。
2.OpenSea(オープンシー)を解説
では、実際にNFTアートを販売する場所であるOpenSeaというものについて解説をしていきたいと思います。
◆OpenSeaとは何か
普段の日常生活でプラットフォームを活用されている方は分かるかもしれませんが、OpenSeaというのは、NFTアートのやり取りをするプラットフォームです。
プラットフォームというのは「駅」という意味で、人やモノが集まるところです。
あらゆる商品のプラットフォームになっているものと言えば、Amazonが代表例でしょう。
楽天なども同じかもしれません。
これらもプラットフォームと呼ばれています。
ですから、Amazonや楽天で買い物をしたことがある人は、プラットフォームを活用した買い物をしたことがあるということになるのです。
OpenSeaはNFTアートを専門的に扱うプラットフォームです。
自分で制作したNFTアートを売ることもできますし、誰かが制作したNFTアートを購入することもできます。
◆OpenSea以外のNFTマーケット
OpenSea以外にもNFTマーケットはあります。
例えば、Coincheck(コインチェック) NFT。
暗号資産の売買経験者であれば、コインチェックに口座をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
コインチェックは日本企業の運営ですから、日本語でやり取りが可能です。
扱っているNFT商品は一部のゲームのものに限られてしまっていますので、OpenSeaよりも品ぞろえは良くないのが欠点です。
ちなみに、扱われているゲームのNFTはThe SANDBOX(ザ サンドボックス)やNFTトレカなどになります。
種類は豊富とは言えませんが、取引をする際のガス代が無料となっているのは大きなメリットです。
ガス代とは、暗号資産のやり取りをイーサリアムブロックチェーン上で取引を実行する時に発生する費用のことです。
他にも、SuperRare(スーパーレア)というNFTプラットフォームもあります。
OpenSeaがNFTアートの出品審査がないのに対して、このプラットフォームでは、審査を通過した、信頼のある作者からの作品しか出品が許可されません。
著しく質の低い作品が出回ることはありません。
したがって、SuperRareで出品されているNFTアートはどれもレベルの高いものばかりになります。
購入をしたいという人には適しているプラットフォームかもしれませんが、初めて自分でNFTアートを制作し、それを出品したいという方には不向きなプラットフォームです。
OpenSeaがNFTアート制作初心者向けのプラットフォームであるのに対して、SuperRareは上級者向けのプラットフォームになります。
ちなみに、日本語には対応していません。
OpenSeaについては、次以降の項目で詳しく解説しています。
3.OpenSeaの利点
では、NFTアートを購入したり、販売したりする人全員が通る道と言っても過言ではないOpenSeaについて詳しく見ていきたいと思います。
まずはOpenSeaのメリットから見ていきましょう。
◆ガス代・手数料
自分のNFTが誰かに購入されたときに、その取引額に対する一定の割合が取引手数料として発生します。
OpenSeaでは、販売手数料は2.5%になります。
また、イーサリアムプラットフォームで、取引をする際には、ガス代という費用も発生します。
ガス代が無料に設定されているところもあり、例えば、コインチェックでNFTを使った場合、ガス代は無料ですが、販売手数料が10%かかります。
ここを比較して頂くと、OpenSeaの方が余計にかかる費用を抑えることができるでしょう。
OpenSeaでガス代が発生するタイミングというのは、NFTアートを自分で購入するとき・NFTアートを自分で出品するとき・購入したウォレットを他のウォレットに移動させるときの3つです。
出品の際のガス代は、初回出品の時だけ発生しますので、NFTアートの出品をメインに行いたいと考えている方は大きな費用にはならないはずです。
よくOpenSeaのガス代は他と比較して高いということが騒がれていますが、OpenSeaがガス代を設定している訳ではありません。
ガス代は、イーサリアムプラットフォームで取引をする際に、その取引をデータに書き込んでくれている人に対して支払われる報酬です。
需要と供給の関係から、利用者が増えれば増えるほど、ガス代は高額になっていきます。
どのタイミングで安くなるかは、利用者の数が影響するので、一概には言えません。
一週間の中のどのタイミングが最も安くなるかを調べることによってコストカットにもつなげることはできます。
◆作品数
OpenSeaは、NFTを扱う人の登竜門的プラットフォームです。
どんな人でも自分の作品を出品することができます。
それゆえ、扱われている作品数も豊富です。
出品をする際に、出品審査をしているプラットフォームもありますが、OpenSeaではそのような審査がありません。
NFTで稼ごうと考えている人は出品するだけでは駄目ですが、まずは出品できないことには話が先に進みません。
まだNFT化した作品を一つも出品していないという人にとってはかなり取り組みやすいプラットフォームであると言えるでしょう。
◆簡単・安心
操作の仕方が簡単ということでも初心者に嬉しいのがOpenSeaです。
多くの人が使っているプラットフォームでもあるがゆえに安心して利用することができます。
日本語には対応していないのですが、Google翻訳とサイト内のイラストで十分に内容を理解することが可能なので、英語が分からないという人でも大丈夫です。
また、イーサリアムのプラットフォームを活用する際に必須となるウォレットがメタマスクというウォレットなのですが、このウォレットがあれば簡単にOpenSeaに登録することができます。
メタマスクの始め方については後で説明しています。
4.OpenSeaの欠点
初心者にも易しく、操作がしやすいという点で人気の高いOpenSeaではありますが、デメリットもあります。
◆売れないこともある
この欠点はOpenSeaだけの欠点ではありません。
どこのプラットフォームを活用しても、また、NFTアートに限らずに、自分の商品を一般の人の目に触れさせることは大変なことです。
同様の問題はOpenSeaでも生じます。
自分の商品を購入してもらう前に、まずは見てもらわなくてはいけません。
ホームページであれば、グーグルやヤフーの検索エンジン対策をしなくてはいけないのと同様に、NFTアート等についても一定のプラットフォーム対策は必要になってきます。
しかし、NFTについては、SEO的な対策よりも売れるための商品設計やカテゴリー選定を行うことの方が効果的です。
まずは自分で作った作品を出品できたら、どのようなジャンルが売れるのかを研究し、そのカテゴリーに絞った制作を続けることによって、売り上げを伸ばすこともできるでしょう。
この記事の最後に、商品を売るためのコツを紹介しておりますので、参考にしてください。
作りたい商品を作るだけでなく、売れる商品・売れている商品を研究して真似することによって収益までの道のりを短くすることができます。
◆偽物が出品?
OpenSeaは誰でも簡単に作品を出品できますし、誰でも簡単に作品を購入できます。
しかし、簡単に参加できるがゆえに、フェイク作品が流入してくることもあります。
NFTは所有者を証明するものであって、作品そのものがオリジナルかどうかということを証明することはNFTのみでは難しいのが現状です。
コピーしてきた作品もNFT化すれば、その人のものになってしまいます。
コピー画像にまでNFTが適用されてしまうのです。
これは出品審査が緩いOpenSeaのデメリットと言えるでしょう。
◆分散型のはずが・・・
このデメリットは普通に利用している分には全く影響はありません。
暗号資産の取引の際にはブロックチェーン技術という技術が使われています。
これは、取引の記録を残すことによって誰の目からも監視することができるというものです。
このデータの記録を残すときに技術者の力が必要なのですが、技術者は組織に属さない人です。
分かりやすく例えると、フリーランスの人というような感覚です。
記録を作る時に報酬としてガス代を支払っているということは先ほどの項目で説明しました。
日本の会社組織と違い、強力なトップがいて、指揮を執る構図ではありません。
それゆえ、分散型と呼ばれています。
しかし、OpenSeaには、この分散型の概念があてはまらないところも出てきています。
例えば、自分で購入したNFTの情報を確認しようと、自分のウォレットの中を覗いてみても、表示されないNFTがあるのです。
購入できていない訳ではありません。
表示されないだけです。
OpenSeaのサイトを経由してしか表示されないものがあるということは知っておいてください。
これでは、OpenSeaとウォレットとの関係が支配と従属の関係になってしまっていますので、分散型とは言えません。
また、いくつかの情報についても、OpenSeaのサイト経由でしか手に入らないものもあります。
この点においても注意が必要です。
5.OpenSeaで作品を出品しよう
では、実際にNFTアートを制作し、マーケットで販売するための方法を解説していきます。
◆メタマスク作成
OpenSeaでNFTアートを出品するためには、ウォレットの作成が必要です。
ここでは、メタマスクというウォレットを例にとって説明します。
GoogleChromeでブラウザ読み込みを想定して書いてあります。
まず、「メタマスク」の公式サイトに入ります。
検索エンジンで「メタマスク」と入力すればすぐに公式ページにたどり着けます。
メタマスクはキツネのマークが特徴的です。
キツネのロゴがあるページから、「Chrome」を押し、「Install MetaMask for Chrome」を選択します。
「拡張機能を追加」を押し、ウォレットを作成していきます。
パスワードの設定を終えたら、12個のシードフレーズが表示されるので、紙にメモするか印刷をするなどして、控えておくようにしてください。
シードフレーズはデバイスを変えたりして、メタマスクを復元する時に必要になる暗号のことです。
暗号資産関連で使用するパスワードはその他のサイトのアカウントやパスワードの使い回しとならないようにしてください。
ハッキングのリスクなども十分にあり、基本的に、そのようなトラブルは全て自己責任となります。
メタマスクが拡張機能として追加されたら、メタマスクのウォレット画面からアカウントの詳細を確認し、秘密鍵を確認します。
確認の際に先ほどのパスワードが必要になります。
秘密鍵についてもシードフレーズと同様に紙に控えておくなどして大切に保管して下さい。
これで、メタマスクに関連する操作は一度終了となります。
◆ポリゴン設定
イーサリアムネットワークを使って出品する場合には、取引の際に大きなガス代がかかることがありますので、ポリゴンネットワークへ変更してから出品することをお勧めします。
メタマスクのウォレット画面を開くと、通常の設定では、右上に「イーサリアムメインネット」と表示されています。
これは、取引の際にイーサリアムネットワークを使用するという意味です。
ここをポリゴンネットワークへと変更していきます。
「イーサリアムメインネット」の右側に表示されているV字のマークをクリックするとネットワークの追加画面が表示されます。
ここで、ネットワーク名に「Polygon Mainnet」、チェーンIDに「137」、ブロックエクスプローラーのURLの欄に「https://polygonscan.com/」と入力します。
続いて、新しいPPC URLの欄に「https://polygon-rpc.com/」、通貨記号に「MATIC」と入力して保存を押します。
初期状態の時に「イーサリアムメインネット」と表示のあった場所が「Polygon Mainnet」と変わっていれば完了です。
これで、出品手数料を安く抑え込むことができます。
というか、執筆時点では無料になっています。
操作とは直接は関係ないのですが、ポリゴンネットワークについて簡単に書いておきます。
イーサリアムメインネットのガス代が高騰しているのは利用者が多いからです。
ただし、取引のスピードはとても速いです。
しかし、いくら取引のスピードが速いとは言え、利用者が多くなればなるほどその取引速度は遅くなります。
高速道路が渋滞しているようなものです。
そこで、ポリゴンネットワークという一般道路に一度戻ってから、再度本来の目的地にたどり着こうとしたのが今の操作になります。
多くの人が高速道路の料金を支払ってゆっくり走っている中、私たちは一般道路を使って安く、早く目的地にたどり着くことができるというわけです。
イーサリアムで取引をしていればポリゴンネットワークが使えるかと言うと、そうではありません。
ただし、私たちがこれからNFTアートを出品しようとしているOpenSeaでは、ポリゴンネットワークに対応しているので、この手法が使えます。
◆作品制作
実際にNFTアートがないと出品できませんから、NFTアートを制作していきます。
NFTアートの制作の方法としては、クラウドソーシングで外注して入手してしまう方法もありますが、ここでは、初心者の方でも制作できる方法を紹介していきます。
Adobe社の「illustrator(イラストレイター)」をインストールすれば、NFTアートでよく見かけるドット絵を簡単に作ることができます。
ただ、こちらは無料体験期間を除いては有料版になりますので、とりあえずのお試しという人には向いていないかもしれません。
完全無料でNFTアートを制作したい方はスマホ版の無料アプリである「ibispaint(アイビスペイント)」が良いでしょう。
アイビスペイントはお絵描きアプリです。
タッチペンがあると、細かい部分までデザインにこだわれます。
売れている作品をいくつか組み合わせてモデリング形式で制作できるとよいです。
完全な真似になってしまうと、問題になりますから気を付けてください。
◆NFT化する方法
OpenSeaに登録して、作品をNFT化していきます。
ブラウザで「OpenSea」と入力し、公式サイトに入ってください。
公式サイト内の右上のアイコンに、人のシルエットのようなマークがありますので、そこをクリックすると、「MetaMask」の表示が出てきます。
メタマスクをクリックし、「署名」を押せば接続は完了です。
先ほどの人のシルエットのところが別のマークに変更されているはずです。
そこにカーソルを当て、「Settings」を押すと、基本情報の入力画面になります。
ここでプロフィール情報を入力します。
Usernameは作品の作者名のことです。
Bioは経歴になります。
メールアドレスやツイッターなどのリンクを入力していき、可能であれば画像などもアップロードしておけるとよいです。
ツイッターのリンクを入れる方は、最も力を入れているツイッターのURLを入力して下さい。
購入者がいきなり作品を購入するということは少なく、一度作者のツイッターをリサーチすることがほとんどです。
そのときに更新頻度が少ないツイッターの捨てアカを登録してしまっていると、作品の購入率が低くなる恐れがあります。
自身のツイッターの本命のアカウントで登録をしておきましょう。
ここでの基本情報の設定が終わったら、「My Collections」を設定していきます。
「Settings」の上に表示されています。
「My Collections」は自分の作品をコレクションしておく場所です。
「My Collections」を押し、青色で表示されている「Create a collection」をクリックします。
上から順番に、アイコン、コレクションサムネイル、バナーを設定します。
Nameはコレクションの名称のことです。
大文字だとエラーとなってしまうため、小文字での入力をしてください。
「Description」はコレクションの説明です。
「Category」はプルダウンから「Art」を選択します。
「Links」にはSNSのリンクを添付することができます。
「Creator Earnings」は制作者のロイヤリティ入力欄です。
最大で10%までのロイヤリティを入力します。
入力が完了すると、「Your payout wallet address」が新たに表示され、ここにメタマスクのアドレスを入力します。
入力する時には手入力ではなくコピーアンドペーストをしてください。
「Blockchain」は初期状態ではイーサリアムが選択されていますので、Polygonに設定します。
プルダウンで選択できるはずです。
「Explicit & sensitive content」は過激な内容を含む場合にはチェックを入れます。
最後に「Create」を押すと、OpenSeaへの登録が完了するので、そのまま、トップページから「Create」ボタンを押します。
一番上の「Create New Item」の欄にNFT化したい作品をアップロードします。
基本的にはこれで完了です。その下には作品の名前、説明などの項目が続きます。
「Collection」では、自分で作成したコレクションを選択します。
「Supply」はNFTにする個数を入力します。
デフォルトでは1になっています。
「Blockchain」はPolygon(無料)を選択してください。
最後に「Create」を押せばNFTアートの完成です。
NFTにする方法自体はこんなにも簡単なのです。
出品も簡単です。
作品ページに移動して、価格を入力して、「Complete listing」(青色のボタン)を押して完了です。
ポリゴンネットワークを使っている場合には価格は固定価格でしか設定できません。
オークション形式にはならない点に注意が必要です。
6.OpenSeaで作品を購入しよう
OpenSeaで他の人が制作したNFTアートを購入する方法について解説していきます。
前の項目でメタマスクは登録できているはずですので、その部分は省略します。
また、購入の際にもガス代がかかるので、ポリゴンネットワークを活用した場合の方が安くなります。
◆イーサリアムの購入方法
国内取引所に口座を作り、銀行振り込みで口座に日本円を入金してから必要な暗号資産(イーサリアム)を購入しましょう。
ここでは、その方法が割愛しますが、口座開設はスマホと身分証明書があれば、30分もかからずに開設ができます。
◆取引所からポリゴンネットワークへの送金方法
イーサリアムブロックチェーンとポリゴンブロックチェーンは別のものです。
国内取引所からメタマスクにイーサリアムを送金し、ポリゴンに送金をする必要があります。
メタマスクへの送金は国内取引所を開設してあれば簡単にできますので、ここでは、ポリゴンへの送金の仕方を書きます。
ポリゴン公式サイトにアクセスし、「Polygon Bridge」をクリックし、メタマスクが表示されたら、ポリゴンネットワークになっていることを確認します。
イーサリアム(ETH)の量を入力し、「Transfer」を押して確認すれば完了です。
これで、ポリゴンに送金されました。
◆作品の購入方法
OpenSeaのサイトにアクセスしたら、「Explore」のボタンを押します。
いずれかのコレクションを選択することで、検索しやすくするためのフィルター機能が使えるようになります。
価格順、ランキング順などで並び替えれば、目当ての作品が効率よく見つかるかもしれません。
欲しい作品が見つかったら「Buy Now」を押して、署名すれば購入完了です。
購入ボタンを押さなければ購入されませんので、直感的に操作に慣れるためにも、色々と試して商品を探してみるとよいでしょう。
7.NFTアートで稼ぐための戦略4選
出品しただけでは、NFTアートを誰かに購入してもらうのは難しいでしょう。
NFTを制作する前にどのようなことに気を付けて制作し、どのように販売までしていけばよいのかを事前に知っておければ、作業時間が無駄にならなくて済みます。
ここでは、NFTアートを通して利益を得たいという方向けにお勧めの方法4つを紹介します。
◆制作動画作成のススメ
NFTは所有者を明確にすることができるという点において非常に有効です。
しかし、所有者を明確にするだけであって、その作品が本物か偽物かを区別するところまではまだ至っていません。
区別するための方法として、公式マークがついているものを購入時には選ぶということでオリジナルと盗作を区別していますが、NFTだけの力とは言いにくいでしょう。
ちなみに、公式マークはOpenSeaから発行され、その公式マークの発行条件としては、Twitterのフォロワーが5万人以上またはOpenSeaでの取引額が100ETH(イーサリアム)以上という条件ですので、相当に信頼できるものになっています。
そこで、自分が制作した作品が本物であるという信頼を得るためにも、自分が制作している過程を動画等で収録しておくのはお勧めです。
これをプロモーション活動に使うことによって、購入希望者からの信頼も大きく寄せることができます。
NFTはよい商品を購入しようという心理も働きますが、安全かつ安心な商品にブランド力を組み込んだ商品の方が売れる傾向にあります。
◆コレクター心理を活用
NFTアートに限りませんが、自分で新しく商品を作ったとき、それだけでは見込み顧客にアプローチできません。
あなたの商品を知ってもらわないことには売れないのです。
そこで、SNSを活用されている方は、自身のNFTアートを広告宣伝していけるとよいでしょう。
SNSのフォロワーの数にもよりますが、紹介しておけば、広げてくれる人もいるかもしれません。
今話題のNFTをあなたが発信することによって、それまで知らなかった人もNFTに興味を持って調べ始めるかもしれません。
また、日本語だけで投稿するのではなく、海外在住の方にアプローチするために簡単な英語で紹介ができるようになっておけると一層宣伝効果が高まります。
SNSの投稿タイトルに「#001」などのようなナンバリングをしている投稿もよく見かけます。
複数のNFTアートの出品を考えている人はこのようにして通し番号を付けておくのも有効です。
◆SNS発信とナンバリング
前項で少し紹介しましたナンバリングですが、たくさんの作品を作る方には特に有効です。
自分の作品に興味を持ってくれた人が、作品をコレクションしようとする場合には、ナンバリングされている方が、利便性が高いです。
一度没頭すると、最後まで集めようと収集癖が働く人もいますので、このコレクター心理を上手く活用できるとよいです。
ナンバリングと似ているものとして、作品ごとにストーリー性を意識した制作をすることも大切です。
いずれにしても、あなたの作品のファンを生み出すことが継続した収益を上げるためには必要です。
◆売れるジャンルの選定
自分の気持ちを込めて制作した商品が売れれば、それは嬉しいことでしょう。
しかし、自分の価値観がそのまま他の人にも受け入れられるとは限りません。
自分が良いと思ったものだけで他のNFTと競合するのは難しいということです。
売れるジャンルを選定することで自分が出品した作品が売れるか・売れないかに大きな影響を与えます。
NFTアートを購入する人のほとんどは、SNSのアイコンにすることが目的です。
したがって、自分でNFTアートを制作する時にもSNSのアイコンにできるような画像を制作する方が自分好みの作品を作るよりも売れやすくなると言えます。
つまり、正方形サイズで画像を制作すること、イラストの配置は中央の目立つ部分にすることや、複数のNFTアートを出品する場合には、その作品に統一性・一貫性を出すことで売れやすくなるのです。
おわりに
最後までお読みいただきましてまことにありがとうございました。
NFTの世界は、まだまだブルーオーシャンの状態です。
日本でも脚光を浴びてきてはいるものの、実際に本格的に参入しているという人は、そんなに多くないでしょう。
メタバースやNFTという言葉を聞いたことがある人はいても、名前を知っているというような感じの人が大多数です。
いずれ間違いなく大きな波としてやってくるNFTの世界を少し早く先取りをして、大きな流行になったときの中心に自分がいれたら楽しいですよね。
NFTで大きく利益を出すことを目的とするか、しないかは別にして、本書を活用してNFTアートの出品の仕方をご理解いただけた方が、少しでもNFTアートを出品して、その世界を体感していただければ嬉しく思います。
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