※この記事では、職リポの運営元レーベル「晴虹社」のサービスも紹介しています
「VTuberになりたい。まずはモデルを作ってもらおう」。そう決めて依頼フォームを開いたのに、手が止まってしまうことはよくあります。「どんなキャラにしますか?」の欄に書けたのは「かわいい感じで」の一言だけ。この「かわいい感じで」、実は依頼する側でいちばん多いつまずきかもしれません。
この記事では、VTuberモデル(イラスト+Live2D)を依頼するときの流れを、準備から納品まで順番に解説します。
📖 4コマ「伝わらない注文」
「VTuberデビューする!モデル頼むぞ!」
「いいね。どんな子にしたいの?」
「かわいくて、かっこよくて、強そうで…」
「それ、絵師さんも一緒に悩むやつだね」
結論:依頼の9割は「準備」で決まります
先に結論をお伝えします。VTuberモデル依頼の流れは、大きく分けると次のとおりです。
- 依頼前の準備(キャラ設定・参考画像・用途をまとめる)
- 相談・見積もり
- ラフ(下描き)の確認
- 清書(完成イラスト)
- パーツ分け
- Live2Dモデリング(動きをつける作業)
- 動作確認・修正
- 納品
このうち、依頼する側がいちばん力を入れたいのは1番の「準備」です。ここがふわっとしていると、ラフの段階で「なんか違う」が起きて、修正の往復が増えてしまいます。逆に言えば、準備さえ整っていれば、あとは制作者と一緒に進めていくだけです。
ちなみにLive2Dとは、1枚のイラストをパーツごとに分けて、まばたきや首の傾きなどを立体的に動かせるようにする技術のことです。つまりVTuberモデルは「絵を描く人」と「動かす人」の二段構えで作られることが多い、と覚えておくと流れがつかみやすくなります。
依頼前にそろえたい「三種の神器」
準備といっても、絵が描けなくて大丈夫です。必要なのは「言葉」と「画像」と「目的」の3つ。順番に見ていきましょう。
1. キャラ設定:「かわいい」を分解する
「かわいい」は人によって指すものがまったく違います。ふんわり系のかわいさなのか、小悪魔っぽいかわいさなのか、元気いっぱいのかわいさなのか。ここを分解して書き出すのがキャラ設定です。
最低限、次の項目を書いておくと伝わりやすくなります。
- 名前と年齢感:実年齢でなく「見た目が10代後半っぽい」などでもOK
- 性格を3語で:たとえば「マイペース・ツッコミ体質・甘党」
- 世界観・設定:「魔界から来た見習い悪魔」「近未来のアンドロイド」など
- 髪型・髪色・目の色:決まっていなければ「おまかせ」と書いてよい
- 服装のイメージ:制服風、和風、パーカーなど
- 入れてほしいモチーフ:猫耳、星のヘアピン、片目の眼帯など
- NG要素:「露出は控えめに」「ピンク一色は避けたい」など
意外と見落としがちなのが、最後の「NG要素」です。やってほしいことより、やってほしくないことのほうが、イメージのズレを防ぐ効果が大きい場合もあります。
2. 参考画像:100の言葉より3枚の画像
「透明感のある水色の髪」と書いても、思い浮かべる色は人それぞれです。そこで役立つのが参考画像です。
- 髪型や服装の雰囲気が近いイラスト
- 色の組み合わせ(配色)が好きな画像
- モチーフにしたい小物や動物の写真
このとき、それぞれの画像に「どこが好きか」を一言添えるのがコツです。「この画像の髪の毛先の感じ」「この配色だけ参考に」というように書いておけば、「全部真似してほしい」と誤解されるのを防げます。
なお、他の人が描いたイラストをそのまま再現してもらうのはトラブルのもとです。参考画像は、あくまで「雰囲気を伝えるための資料」として使いましょう。
3. 用途:どこで、どう動かすか
同じキャラでも、使い道によって必要な作り込みが変わります。たとえば次のような点です。
- 配信の種類:雑談中心か、ゲーム実況中心か、歌枠もやるのか
- 表示範囲:バストアップ(胸から上)で十分か、全身を見せたいか
- 表情差分:笑顔・怒り・泣き顔など、切り替えたい表情はいくつか
- 動きのこだわり:髪の揺れ、アクセサリーの揺れ、手を振る動作など
- 使用範囲:配信だけか、グッズ化や広告にも使いたいか
ゲーム実況が中心なら、画面の隅に小さく映る時間が長くなります。雑談中心なら、表情の豊かさが見どころになります。用途を伝えることは、制作者が「どこに力を入れるべきか」を判断する手がかりになるのです。
マサキ
サクラ
マサキ
サクラ準備メモは「完璧な設定書」でなくて大丈夫です。迷っている部分は「ここは迷っています」と正直に書くほうが、相談がスムーズに進みます。
相談から納品まで、8つの段階を歩いてみる
準備ができたら、いよいよ依頼です。ここからは、それぞれの段階で依頼する側が何をすればよいかを見ていきます。
相談・見積もり:ここで「できること」をすり合わせる
準備したキャラ設定・参考画像・用途を制作者に伝え、見積もりをもらいます。このとき確認しておきたいのは次の点です。
- 費用に含まれる範囲(イラストのみか、Live2Dモデリングまでか)
- 表情差分や動きの数
- 修正できる回数とタイミング
- 納期の目安
- 使用範囲(配信・グッズ・収益化など)と、著作権の扱い
- 納品されるデータの内容
特に「使用範囲」は後から揉めやすいポイントです。「最初は配信だけのつもりだったけれど、人気が出てグッズを作りたくなった」というのはよくある話。将来やりたいことも含めて、早めに相談しておきましょう。
ラフ確認:修正するならこのタイミング
ラフとは、完成前の下描きのことです。キャラの顔立ち、髪型、服装、ポーズの方向性をここで確認します。
大事なのは、大きな変更はラフの段階で伝えることです。家づくりにたとえると、ラフは設計図。設計図の段階で「やっぱり2階建てに」と言うのは簡単ですが、家が建ってから言うと大工事になります。イラストも同じで、清書が進んでからの髪型変更は、大きな手戻りになってしまいます。
清書:色と細部が入る段階
ラフで決まった内容をもとに、線をきれいに整え、色を塗っていきます。ここでは細かな色味や小物のデザインを確認します。気になる点があれば、遠慮せずに具体的に伝えましょう。「なんか違う」ではなく「髪の水色をもう少し明るく」と言えると、修正がぐっと早くなります。
パーツ分け:見えないところで一番がんばる工程
Live2Dで動かすためには、イラストを前髪・横髪・後ろ髪・目・まぶた・まつげ・口・眉などに細かく分けておく必要があります。これがパーツ分けです。
ここで「へぇ」となる小ネタをひとつ。まばたきをさせるには、まぶたが閉じたときに見える「まぶたの裏側」や、髪が揺れたときにのぞく「髪の下の肌」まで描いておく必要があります。完成した絵では見えない部分まで描き足すので、パーツ分けは見た目以上に手間のかかる作業なのです。
マサキ
サクラ
マサキ
サクラLive2Dモデリング:いよいよ命が吹き込まれる
分けたパーツに、動きのルールをつけていく工程です。顔の向き、まばたき、口の開け閉め、髪や服の揺れ(物理演算と呼ばれる、重さや揺れを再現する設定)などを作り込みます。
途中で動作のサンプル動画を見せてもらえる場合は、ぜひ確認しましょう。「首をかしげたときに顔の形が崩れていないか」「髪の揺れが大げさすぎないか」など、動かしてみて初めて気づくことがたくさんあります。
動作確認・修正:実際の配信環境で試す
モデルができたら、実際に使うトラッキングソフト(カメラで顔の動きを読み取り、モデルに反映するソフト)で動かしてみます。カメラの性能や部屋の明るさによって、動きの感じ方は変わります。配信と同じ環境で試すのがポイントです。
ここでのおすすめは、配信画面に小さく表示したときの見え方も確かめることです。晴虹社では本の表紙を作るとき、表紙の文字も画像の一部としてデザインし、スマホの小さな表示でも読めるかを確認しています。VTuberモデルも同じで、ゲーム画面の隅にちょこんと映ったときに表情が分かるかどうかは、拡大表示だけでは分かりません。
納品:データ一式を受け取って保管する
最後に、モデルデータやイラストのデータを受け取ります。受け取ったら、すぐに動作を確認し、データのバックアップを取っておきましょう。パソコンの故障でモデルが消えてしまうと、取り返しがつきません。
納品後は、依頼時のやりとりや使用範囲の取り決めも一緒に保存しておきましょう。後からグッズ化などを考えたときに、確認の手がかりになります。
ここでつまずく人が多い、3つの落とし穴
流れが分かっても、実際に進めると引っかかりやすいポイントがあります。代表的なものを3つ挙げておきます。
- 配信開始日ギリギリで依頼してしまう:モデル制作は工程が多く、修正のやりとりも発生します。デビュー日から逆算して、余裕をもって相談を始めましょう。
- イラストとLive2Dを別々に頼んで、連携がうまくいかない:パーツ分けの形式がモデリングする側の想定と違うと、やり直しが発生することがあります。別々に依頼する場合は、事前に両者の条件を確認しておくと安心です。
- 「おまかせ」と「こだわり」の線引きがあいまい:全部おまかせにしたのに、完成後に細かい修正を重ねてしまうパターンです。譲れない部分と任せる部分を、最初に決めておきましょう。
自分で全部やるのが大変なら、まとめて任せる選択肢も
ここまで読んで、「イラストの人とLive2Dの人を別々に探して、やりとりを調整するのは大変そう」と感じた方もいるかもしれません。準備や確認は自分でできても、制作者探しや工程の調整に時間を取られるのはもったいないですよね。
そんなときは、イラストとLive2Dモデリングをまとめて相談できるサービスを使うのもひとつの方法です。Kindle出版の代行レーベルである晴虹社では、VTuberモデル制作のサービス「NiJIIRO」も運営しています。NiJIIROでは、キャラクターのイラストからLive2Dモデリングまでを相談でき、見積もりは無料です。この記事で紹介したキャラ設定・参考画像・用途のメモを用意しておけば、相談の場で希望を伝えやすくなります。
マサキ
サクラ
マサキ※見積もりは無料です。制作内容や納期は、相談時にご確認ください。
よくある質問
Q. 絵がまったく描けなくても依頼できますか?
A. はい、依頼できます。必要なのは絵の上手さではなく、イメージを伝える材料です。キャラ設定を言葉で書き出し、参考画像を数枚集めて「どこが好きか」を添えれば、制作者にイメージが伝わりやすくなります。手描きの落書きがあれば、それも立派な参考資料になります。
Q. イラストとLive2Dは別々の人に頼んでもいいですか?
A. 別々に依頼することもできます。その場合は、パーツ分けの形式やデータの受け渡し方法を、事前に両方の制作者と確認しておきましょう。調整の手間を減らしたい場合は、イラストとモデリングをまとめて相談できる窓口を選ぶのもひとつの方法です。
Q. 依頼から納品まで、どれくらいの期間を見ておけばいいですか?
A. 表情差分の数、動きの作り込み、修正の回数などによって大きく変わります。そのため、相談の段階で納期の目安を確認するのがいちばん確実です。デビュー日が決まっている場合は、その日付も最初に伝え、余裕をもったスケジュールで進めましょう。
まとめ
VTuberモデル依頼の流れを振り返ると、ポイントは次のとおりです。
- 依頼前に「キャラ設定」「参考画像」「用途」の3つをそろえる
- 「かわいい」は分解して書き、NG要素も伝える
- 相談時に費用の範囲・修正回数・使用範囲を確認する
- 大きな変更はラフの段階で伝える
- パーツ分けとモデリングは見えない手間が多い工程と知っておく
- 納品前に配信と同じ環境で、小さな表示の見え方まで確認する
「かわいい感じで」の一言から始まったイメージも、こうして整理していけば、きちんと形にしていけます。まずは今日、キャラの性格を3語で書き出すところから始めてみてください。準備が整ったら、相談の一歩を踏み出してみましょう。あなたの分身が画面の中で動き出す日を、楽しみにしています。
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